公開しないこととした部分「不適正な会計処理にかかる処分等一覧」

のうち(氏名)の非公開処分を取り消すとの決定を求める意見陳述

平成21811

異議申立人  寺本 泰之

   1、弁明3()への反論

当該公務員氏名は本件条例第7号第1項第1号に該当しない。
本件条例第7号第1項第1号は「個人の意識、信条、身体的特徴、健康状態、職業、経歴、成績、家庭状況、所得、財産、社会活動等に関する情報であって、特定の個人を識別できるもののうち通常他人に知られたくないと認められるもの」と規定している。
 当該氏名は、名古屋市が公表した「不適正な会計処理に係る処分」いわゆる裏金の支出に関する文書に掲載された公務員の氏名の開示を求めているに過ぎない。条例解釈を誤っている。当該公務員の氏名は個人情報に該当しない。
 仙台地裁でも平成8年に資料Tのように判決を下している。

   2、弁明3()()(4)への反論

名古屋市民オンブズマンが本市の裏金調査の帳簿や通帳について開示請求していた事件では、本市はこれまでの方針を変更して公開した。その通帳に記載された市職員の名前も公開している。通帳に記載された市職員の名前から、その職員が裏金に関わったであろうことはおおよそ推測できる。ところが本件については「他人に知られたくない情報だから」との理由で非開示にしている。この判断には整合性がない。
「不適正な会計処理に係る処分」と限定しているからというのが理由であろうか?「公務員が担任する職務を遂行する場合における情報」に限るというが、ここで争われている氏名は、公務員が公務中に裏金作りをし、受益者となった個人名である。この問題の重要性を認識すべきだ。公務員個人の私的な情報には当たらない。瑣末なことばにこだわることなく、名古屋市は裏金問題についてだれが、どのような責任を果たしたのか具体的に公表し、名古屋市民の信頼を回復すべきである。
 現実社会で、他人が知られたくないからといって犯罪者の名前を新聞に記載しないというようなことが通るのであろうか。役所の非常識であり、隠蔽体質の現れである。

 常識論としては、市職員が市民の前で自分の氏名を名乗らずに職務を遂行し続けることは現実的にあり得ないことだし、公務中に不祥事があれば役所内は当然のことマスコミ等によって職員の氏名は広く伝えられることになる。
 そもそも公開されて困るような公務をする公務員は、公務員として不適格者である。公務においては公務員となった者の氏名は例外なく公開され、公務の行動はすべて国民・住民に監視されている、と考えておくのが妥当であり不正抑止力になる。

・資料T

宮城県庁食糧費事件(平成8729日判時1575)では、県庁側は、公務員氏名は個人情報であるとして非開示処分の合法性を主張しましたが、仙台地裁は以下のように判断し、公務員氏名の非開示決定を違法とする判決を下している。
「公務員についていえば、その職務執行に際して記録された情報に含まれる当該公務員の役職や氏名は、当該公務を遂行したものを特定し、場合によっては責任の所在を明示するために表示されるに過ぎないものであって、それ以上の右公務員の個人としての行動ないし生活に関わる意味合いを含むものではない。したがって、その限りにおいてはプライバシーが問題になる余地はない。(中略)県民の側としては、県政に対する理解を深めるためには、これを遂行した担当者及び職務上その相手方となったものについての情報もできるだけ具体的に開示する必要がある。そうすることによってはじめて、実際に行なわれた県政の検証、その当否の判断が可能となるのである。したがって、このような情報は、原則として「個人に関する情報」には当たらないものと解すべきである。」

    (仙台地裁判決1996(平成8)年729日 宮城県庁食糧費事件判決より抜粋)

異 議 申 立 書

20081030

名古屋市

松原武久 様

                                    異議申立人  寺本 泰之

                        下記のとおり異議申立する。

                            記

1、    異議申立人の住所、氏名及び年齢

住所 豊橋市賀茂町石城寺4−6(〒441−1101)

氏名 寺本 泰之

年齢 61歳

2、    異議申立に係る決定

平成20年10月15日付でなされた異議申立人に対する行政文書一部公開決定通知書(20総人第200)

3、異議申立に係る決定があったことを知った年月日

平成20年10月16日
  4、    異議申立の趣旨

公開しないこととした部分「不適正な会計処理にかかる処分等一覧」のうち(氏名)の非公開処分を取り消すとの決定を求める。

5、    公開しないとした異議申立の理由

@異議申立人は、平成20年10月1日付の行政文書公開請求書において、「不適正な会計処理に係る処分等一覧」(以下「本件行政文書」という。) の公開請求 (以下「本件公開請求」という。) を行った。

A本件公開請求に対して、実施機関である名古屋市(以下「実施機関」という。) は、平成20年10月15日付の決定通知書 (20総人第200) において「氏名」を非公開の決定 (以下「本件非公開決定」という。) をした。本件非公開決定の通知書は、本件公文書を「公開しないこととした理由」として、「名古屋市情報公開条例第7条第1項第1号」としたうえで「特定の個人を識別することができるもののうち、通常他人に知られたくないと認められるものであるため。」と記載している。(以下「本件非公開理由」という。)

B公務員の氏名は本件非公開理由には該当せず、名古屋市情報公開条例の解釈適用を以下ア、イの理由をもって誤っており違法なものであるから、取り消されるべきである。

ア、公務に従事する公務員氏名は個人情報に当たらない。名古屋市における裏金問題は公務中に行なわれた犯罪である。裏金作りの犯罪が明らかにされた以上その名前を開示することが、個人の権利利益を不当に害することにはならない。「個人情報の保護に関する法律」や「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」が意図しているのは、行政機関が取り扱う住民の個人情報や、企業が取り扱う大量の顧客情報の漏洩を防止することであり、公務に従事する公務員の氏名などを、個人情報として想定していない。

イ、犯罪者がその氏名を知られたくないと思うのは当然であるが、社会的には一般人の犯罪者の名前は公表される。まして公務員については、「官吏又は公吏がその職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発しなければならない」と規定されており、告発が義務付けらており(刑事訴訟法239条2項)。積極的に不正を暴き公正な行政を遂行する立場にある。本件のように公務員にだけ、公務中の名前を明らかにしないのは組織的な隠蔽工作である。公務のすべて公開が原則である以上、当然公開されなければならない情報である。

C異議申立のより詳細な理由は追って述べる。

6、    実施機関(処分庁)の教示

本件非公開決定の通知によって、「この処分に不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、名古屋市長に対して異議申立てをすることができます。」との教示をうけた。



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