オンブズマン議員の反論―6月豊橋市議会傍聴記に対して
平成24年 6月22日
紘基会 寺本 ひろゆき
6月21日付の貴紙に「6月豊橋市議会傍聴記」(下)が掲載されておりました。筆者は元公明党豊橋市議の伊藤秀昭氏です。筆者は、私の一般質問に対して一方的に誤った批判をされているので、紙面を借りて反論させていただきます。
まず伊藤氏は「一般競争入札や予定価格とは何か、基本的なことを、しっかり勉強していただきたい」と述べるが、私は長年豊橋市の入札の不適正を追及してきました。その結果物品購入については、チャンス不平等高値落札の指名競争入札制度を改めさせ一般競争入札制度に改正させております。このことによって部局職員の指名を受けなくても登録業者なら自由に入札参加できることになりました。この事実を伊藤氏はご存知なのでしょうか?入札制度の基本を知らなくてできる事と思っているのでしょうか?実に的を外れた批評です。
愛知県の「愛知の森と緑を守る」事業の補助事業である愛知県産木の机・椅子セット購入は、本市が県から補助金交付を受けて平成21年度から始まっております。この購入について私は当初から入札の不適正を指摘してきました。平成21年、22年度で机・椅子セットは1,400セット、総額約4,000万円が定価と変わらぬ落札価格で購入されています。初回入札時から指名された業者11社中7社(3分の2)が入札辞退し、次の入札にもその業者を部局は指名し、また初回から辞退する。落札業者はまた同じという官制談合としか言いようがない、不適正な入札を繰り返しました。その結果高い買い物をしてきております。しかし、執拗な委員会や一般質問での私の追及で、ようやく平成23年度からチャンス平等の一般競争入札に改正されたのです。価格は当初の落札価格より3割も安くなっております。
当初の1,400セットも一般競争入札で購入されておれば1,000万円のムダをなくせたでしょう。
今後年間約7億円の物品購入費の少なくとも1割に当たる7000万円の歳出削減に貢献できると思っております。
ゾウの群れ飼育事業について「市民に賛否のアンケートを当局に実施してもらいたい」との私の要望に、当局も「広く市民の声を聞いていきたい」との前向きな答弁をしました。この質問に対して伊藤氏は「36人の議員の議決で決めればいいのだ」と述べております。私は議会制民主主義を理解しております。しかし、その議会の実態がどの程度のものかは多くの市民、国民の知るところです。議会制民主主義が住民の意思を反映して十分に機能しているとは思っていません。
今回住民の暮らしに大きく影響するこの事業についてはアンケートを行うべきだと考えます。税金は特定の利権者のために遣われてはなりません。全体と将来のために使われるべきです。
私は全体と将来のためにならない公共事業には異を唱え、住民に訴えて住民の意思が直接反映されるアンケートや住民投票をドンドンやらないと、豊橋も国もよくならないと思っております。
次に地方自治法2条14項(税金は最少の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない)を私が主張していることに、伊藤氏は「拙さをいつまで続けるのだろうか?」と述べております。お答えします。私は税金の無駄遣い、不正流用がなくなるまで主張します。また「拙い」行為とも思っておりません。議員になる前から選挙ポスターの公費負担の上限額が市場価格の3〜6倍も高いのに、その満額近くの高額で請求する候補者がほとんどでした。2条14項の運動でいまでは市も県も高額請求はなくなり総額約3割も公費負担額が減っております。また平成22年に作られた葦毛湿原の公衆トイレ建設も予定価格を私が追及した結果、当初より1,000万円下がりました。今回と前回の市民県民の環境税で購入する椅子・机1800セットについても、指名競争入札であったら1,300万円も高い購入になっていたでしょう。
こういう追及を「重箱の隅をつつく」と評する人がいますが、こういった地方の生活に密着したムダ遣いをなくすことが、国のムダ遣いをなくすことに通じると考えます。逆に地方が変えられなくては、国も変えられないでしょう。
公明党市議として6期24年間の元ベテラン議員の伊藤氏が、還暦で初当選した組織団体とは縁のないオンブズマン議員を批評していただくことについては、ありがたくお受けするが、市民に間違ったメッセージを送ることは今回限りにしていただきたい。
機会があれば「税金の使われ方」をテーマに公開討論をしたいものです。
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