東愛知新聞(2005年1月16日付)に掲載されたコラムに対して投稿したもの 
             2005年1月19日に同紙に掲載されたもの

    市民オンブズマンから1月16日付「思いつくままメッタ斬り」に一言

1月16日付のコラムを拝読させていただきました。

私はあなたが市議選・補選において「市民団体を利用した売名行為に思われかねない」とご指摘くださった、またタクシーチケットの不正利用について監査請求をした豊橋市民オンブズマンを名乗るものである。あなたの、紙面にあるご意見に対して8年間、身銭を切ってオンブズマン活動をしてきた一市民としてお答えしたい。

まず一つ目、あなたは「オンブズマンは市民の代表として行政等のチェック、ジャッジ、行司役」とのご指摘だが、これはまさに議員の仕事である。議員はこれを仕事とし、市民に税金で雇用されているのだ。しかしこの仕事を豊橋の議員はしていない。

地方議会は長その他の執行機関に対して監視・統制権・検査権・調査権が認められており、それらは国会の場合よりも広い。これらの機能が健全に働いていたならばオンブズマンなど本来は必要ないのだ。ところが豊橋市議会ではこれらがまったくといっていいほど機能していない。地方自治の精神は、住民の意思を行政に反映し住民の福祉の増進を図るところにある。そして最小の経費で最大の効果をあげるよう務めることが地方自治体の責務である。この精神に則り地方自治体が運営されていたならば、オンブズマンは不要である。ところが前市長の贈収賄による逮捕、早川市長における焼却炉問題、それにまつわる1昨年の3億6千万円の三井造船工作金疑惑、そして今回のタクシーチケット問題にいたるまですべてが外からの告発であった。三井造船疑惑についてはNHKテレビで全国に報道されながらも議員自ら調査しようとしなかった。その姿勢は多くの政治学者に批判された。40人の議員に年間7億円の市税が支払われていながら全く納得できる税金の使われ方はされていない。

私の市議選立候補は、調査権を持たない市民の立場のオンブズマン活動ではなく、議員として庁舎に乗り込み議会と行政のなれ合い市政を徹底改革しようとするものであった。

バッジが先にありきの立候補ではなく、より効果ある行革にするための立候補であった。そして2回の選挙戦とも組織団体等の支援のない、数少ない市民ボランティアで歩き続けた選挙戦であった。
 二つ目は、今回のタクシーチケット不正利用問題である。この問題はあなたのご指摘の通り金額としては少ない。しかし私が問題としたのは金額ではない。2200億円にも上る豊橋の公共事業が、庁舎を離れて、暗闇のスナックで話し合われているという(市長の答弁通り夜の公務とするならば)行政の体質である。日本の各地で行政の透明化が求められ、ガラス張りの市政を目指しているときに旧態然としたこの体質は払拭すべきだ。こういう体質が談合を生み、贈収賄の温床になってきたのではないのか?

私はタクシーチケットを通し豊橋市政の体質を問題提起しているのだ。それにたとえ1円でも公金を不正に使ってはならないと思うからだ。

この点のご理解を賜りたい。私にとって行動なきことばほど空しいものはない。この病んだ日本社会を改革するには、知った者が足元でできる行動を起こすことだと思っている。

私の公約をあなたはお読みになられたと思うが、「行革で増税をふせげ・ひとりはほしい市民派オンブズマン議員」をキャッチフレーズとし、市長の退職金の減額や議員定数の削減、市職員の削減(新規採用を削減することで)外郭団体の見直し・廃止を政策に掲げて闘った。あなたの考えに共通するところは多い。

今後も忌憚のないご意見をいただきければ、と願っている。         

敬具

平成17年1月17日

                          寺本 泰之

                          豊橋市民オンブズマン代表

                          豊橋市賀茂町石城寺4−6

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